商品を返品された場合は、元の売上・債権と、戻った在庫・売上原価を対応づけて処理します。売価1万円、原価6000円の商品を掛売り後に返品され、商品が再販売可能な例では、借方:売上1万円/貸方:売掛金1万円、借方:商品6000円/貸方:売上原価6000円とします。消費税は省略した例です。
販売時から返品権がある契約では、ASBJ第29号の返品の見積りや返金負債等の定めを検討します。実際に返品されたときだけ逆仕訳すれば、すべての返品条件を処理できるというわけではありません。
売掛金等の回収に不安がある場合、適用基準に従って回収不能見込額を見積もり、貸倒引当金へ繰り入れます。例えば売掛金10万円に対して1000円を見積もると、借方:貸倒引当金繰入1000円/貸方:貸倒引当金1000円です。貸借対照表では売掛金から控除し、差引9万9000円を示す評価性の勘定です。
実際の貸倒れが2000円で、利用できる引当金が1000円なら、借方:貸倒引当金1000円、貸倒損失1000円/貸方:売掛金2000円などとします。貸倒見積りは期末だけでなく、期中の決算等でも信用状況の変化を反映します。
2026年10月公表の予想信用損失(ECL)モデルは、原則2030年4月1日以後開始年度、早期2027年4月1日以後開始年度から適用できます。将来予測情報等を含める新モデルと、適用前の貸倒処理を分けて理解します。一般事業会社の営業債権等の単純化された取扱いと金融機関等のモデルも区別します。 早期適用では関連する一連の基準等の同時適用条件も確認します。