LESSON 35 / 53

第2節 業務プロセスの関連実務

返品と貸倒れの会計処理

読了目安 約5分第4章
音声で学ぶ本文を見ながら、音声でも確認できます。

商品を返品された場合は、元の売上・債権と、戻った在庫・売上原価を対応づけて処理します。売価1万円、原価6000円の商品を掛売り後に返品され、商品が再販売可能な例では、借方:売上1万円/貸方:売掛金1万円、借方:商品6000円/貸方:売上原価6000円とします。消費税は省略した例です。

販売時から返品権がある契約では、ASBJ第29号の返品の見積りや返金負債等の定めを検討します。実際に返品されたときだけ逆仕訳すれば、すべての返品条件を処理できるというわけではありません。

売掛金等の回収に不安がある場合、適用基準に従って回収不能見込額を見積もり、貸倒引当金へ繰り入れます。例えば売掛金10万円に対して1000円を見積もると、借方:貸倒引当金繰入1000円/貸方:貸倒引当金1000円です。貸借対照表では売掛金から控除し、差引9万9000円を示す評価性の勘定です。

実際の貸倒れが2000円で、利用できる引当金が1000円なら、借方:貸倒引当金1000円、貸倒損失1000円/貸方:売掛金2000円などとします。貸倒見積りは期末だけでなく、期中の決算等でも信用状況の変化を反映します。

2026年10月公表の予想信用損失(ECL)モデルは、原則2030年4月1日以後開始年度、早期2027年4月1日以後開始年度から適用できます。将来予測情報等を含める新モデルと、適用前の貸倒処理を分けて理解します。一般事業会社の営業債権等の単純化された取扱いと金融機関等のモデルも区別します。 早期適用では関連する一連の基準等の同時適用条件も確認します。

このレッスンの用語

用語集へ
引当金を超える貸倒れ

貸倒引当金が1000円で、対応する売掛金2000円が回収不能になった例では、借方:貸倒引当金1000円、貸倒損失1000円/貸方:売掛金2000円とします。利用できる引当金を超える部分は貸倒損失へ計上する例です。税務上の貸倒れの要件や、新ECL基準の適用時期とは別に確認します。

返品と売上の取消し

返品の実績を分けるため、売上返品等の控除科目を用いることがあります。販売時から返品権がある契約では、実際の返品の仕訳だけでなく、返金負債や返品商品を回収する権利等の基準を検討します。

貸倒見積りの更新

決算等で回収不能見込額を見積もり、貸倒引当金の必要額へ調整する処理です。実際の貸倒れの発生まで損失の検討を待ちません。2026年10月最終公表のECLは原則2030年4月1日以後開始年度、早期2027年4月1日以後開始年度からの適用として、適用前と区別します。

逆の仕訳

反対仕訳と呼ばれる。

ここまでの内容を確認できましたか?

完了にすると、学習の記録に保存されます。

改訂版 基準日 2026.10.31

参考資料と適用範囲を確認する

制度の対象・適用時点は本文を参照してください。取引や企業によって取扱いが異なります。

2026年10月31日を基準に改訂した学習用教材です。改訂本文に対応するナレーション音声を再生できます。教材について